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vol.13 間取りに影響するマンションの構造の話。

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こんにちは。熊本のリノベーション専門会社ASTERです。

リノベーションに関する情報や、スタッフの日々を発信する「ASTER RENOVAION JOURNAL(アスター・リノベーションジャーナル)」

今回は、マンションリノベーションをお考えの方に向けて、知っておくと役に立つ「構造と間取りの基本」をお話できたらと思います。

 

 

中古マンションを購入してリノベーションをする際、確認しておきたいのが「建物の構造」。

構造の種類によって「壊せる壁」と「壊せない壁」、配管の移動のしやすさ、天井や床の造りなど、異なる点があり、間取りの自由度にも関わってきます。

 

まずは「壁」の構造について。

マンションに多い構造は、主に「壁式構造」と「ラーメン構造」の2種類に分けられます。

 

 

壁式構造では、“耐力壁”というコンクリートでできた壁が建物を支える役割を果たしています。

柱や梁が少なく、室内に凹凸がないのが特徴です。

すっきりとした空間に仕上がる反面、耐力壁を壊すことができないため、大幅な間取り変更には向いていません。

購入時の間取りを生かして理想の暮らしが叶えられる方にとっては、合理的で美しい構造ともいえますね。

 

対して、ラーメン構造は、“柱”とそれを水平方向につなぐ“梁”で建物を支えています。

マンションの住戸内の部屋と部屋を間仕切っている壁は構造と関係ないことが多く、

室内の壁の多くが取り外し可能なため、間取りを変更しやすいことがメリットです。

(ただし、ラーメン構造の場合もまれに構造壁があるため、事前の確認が必要です)

 

部屋の角などに柱や梁が見えることもあり、気になるという人もいるかもしれません。

 

 

続いて、床の構造について。

マンションの床は主に「直床」と「二重床」に分かれ、それぞれに特徴があります。

 

 

「直床(直貼り)」は、コンクリートの床スラブの上に、直接フローリング材等の仕上げ材を張る工法。

床下に空間がないため、給排水管の移動には制限があり、水まわりの位置を変えたい場合には、床を上げるなどの工夫が必要になります。

 

「二重床(置き床)」は、コンクリートの床スラブの上に支持脚を立て、その上にフローリングなどの仕上げ材を張る工法。

床下に空間があるため、給排水管やガス管を通すことができ、水回り設備移動の自由度が比較的高いといえます。

 

水まわりの移動もしやすく、段差も抑えられるため、リノベーションとの相性が良い構造です。

 

 

次に、天井の構造です。

天井も床と同様に、「直天井」と「二重天井」があります。

 

 

「直天井」は、コンクリートスラブがそのまま天井になっているタイプ。

天井裏に空間がないので、そのままでは埋め込み型の照明器具(ダウンライト等)が取付できません。

また、コンクリートに直接クロス(壁紙)を張っているため、コンクリートの素地を生かしたスケルトン仕上げを希望される場合、パテ跡などが残ることがあります。

 

「二重天井」の場合は、石膏ボードなどの天井材がコンクリートから吊られていて、天井裏に配線やダクトを通す空間があります。

照明の移動やダクトの設置などがしやすく、リノベと相性◎!

スケルトン天井にする際も、きれいな躯体が出てくることが多いです。

 

 

というように、マンションの中にも様々な工法があります。

 

ところで、間取りに関して、お客様から良くいただく質問があります。

それは、“お風呂やトイレ、キッチンなどの水まわりの位置は自由に変えられますか?”という質問。

 

水廻りの移動は可能ではありますが、いくつかの条件があります。

 

水まわりの変更でポイントになるのは、排水の勾配です。

水は自然に下へ流れる性質があるため、排水管には一定の傾斜が必要。勾配を確保できない場合は、床を上げて調整することもあります。

 

また、マンションの各住戸には、パイプスペースと呼ばれる配管を通す空間があり、排水管は最終的にパイプスペースにつながる必要があります。

 

そのため、パイプスペースの位置やルートを確認したうえで、水まわりの移設を計画します。

 

 

キッチンの移設を計画する場合、給排水に加えて排気も重要なポイントです。

 

キッチンのレンジフードは、外壁に設けられたマンションの排気口に接続されています。

この排気口は共用部分にあたるため、勝手に場所を変えることができません。

そのため、既存の排気口の位置を変えず、梁を避けながらダクトを通す必要があります。

場合によっては、ダクトルートが確保できず、位置変更が難しいケースも。

 

「絶対ここにキッチンを持ってきたい!」というご要望がある場合は、無理のない施工方法を一緒に検討していきますので、まずはご相談くださいね。

 

 

と、いろいろご紹介してきましたが…。

 

今回のJOURNALの内容を、お客様ご自身が完璧に覚えている必要はないんです。

リノベーションは自由度が高いといわれる一方で、建物の構造や設備の制約によって、思いどおりにいかないこともあります。

 

でも、だからこそ。

 

既存の条件を読み解き、最適なプランを導き出すのが、私たちの仕事でもあります。

「こういうことはできるの?」「この物件で希望の間取りは実現できる?」といった率直なご質問、大歓迎です。

 

お客様の思いやご希望をたくさん伺いながら、住まいの“これから”を、一緒にカタチにしていけたらと思います。

 

 

今回もお読みいただき、ありがとうございました。

 

次回は、フルリノベor部分リノベの違いやメリット&デメリットをご紹介する予定です。

 

それでは、また次回のJOURNALで。

 

 

 

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